煙突の主な役割は屋外に排気することの他に、薪の燃焼に必要なドラフト(上昇気流)をつくることです。
薪ストーブは最適なドラフトにより暖房能力を充分に発揮することができます。
薪ストーブの性能を最大限に発揮させるためには、燃料である薪の樹種や含水量などの正しい選択が必要です。また薪ストーブの燃焼室内で発生した煙を速やかに屋外へ排出させるための煙突が不可欠です。
また、それと関連して、薪ストーブを設置する建物の構造や形状、立地条件、またその地域の気象風土などを十分考慮した上での、正しい煙道部材のプランニング、施工とメンテナンスも重要視されます。
Aradaストーブの日本発売元である㈱新宮商行では、お客様に安全で快適な薪ストーブライフを末永く楽しんでいただくために、30年以上に亘って培われた経験と実績、ノウハウをもとに開発した、メンテナンス性や地震、風雨、積雪などの気象現象等を考慮した、優れた品質の煙道部材を豊富に取り揃えております。
ドラフトは煙突の内外の温度差が大きいほど強くなるため煙突内部の温度を高温に保つことが重要です。
また適切なドラフトを得られない煙突は煤(スス)やタールが付着しやすく、煙道火災の原因にもなりますので注意が必要です。
まずは煙道部材を3つに分類してご紹介いたします。
煙道部材は薪ストーブを安全にご利用いただくために必要になります
二重断熱煙突には内筒と外筒の間に高品質の断熱材を充填されています。
建物の屋根天井または外壁貫通部分から屋外の排気トップまでの間に使用されます。
二重断熱煙突の働きは、建物を火災から守ることや、ドラフト(吸引力)を高めることにあります。
一般的に使用されている二重断熱煙突の価格目安 | ||
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内筒に耐熱性能に優れたSUS316L 外筒に耐候性に優れたSUS304 断熱材としてスーパーウールを充填して、更に粉体黒塗装を施した直筒1000L |
41,000円(税別) | |
同仕様の45○エルボー | 26,500円(税別) | |
90○T字筒 | 48,000円(税別) | |
愛鳥ネット付のラウンドトップ | 31,000円(税別) |
ジョイントパイプは空気や断熱材による断熱層のない単層の室内用煙突です。
用途としては、薪ストーブ本体と二重断熱煙突を接続する際に使用されるものです。
一般的には"シングル煙突"、海外では"チムニーコネクター"とも呼ばれております。
一般的に使用されているジョイントパイプの価格目安 | ||
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耐候性に優れたSUS304の材質で0.5㎜厚の耐熱焼き付け塗装を施した直筒1000L | 10,000円(税別) | |
同仕様の点検口付きの90○エルボー | 18,000円(税別) | |
ストーブ本体の口元とジョイントパイプ(シングル煙突)を繋ぐストーブジョイント | 7,800円(税別) |
主な関連部材をご紹介いたします。
フラッシング | ラウンドトップ・ 愛鳥ネット類 |
チムニートップ・ 雨仕舞角型ルーバートップ |
支持金物類 |
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屋根の素材や勾配に対応した部材 |
雨水や鳥の侵入を考慮した部材 |
建物外部の意匠性も兼ねた部材 |
煙突の荷重や風圧、雪の重み、地震による揺れにも考慮した部材 |
化粧金物類 | パイプシールド・ ウォールヒートシールド |
スチールフロアプレート | ガラスフロアプレート |
壁面や天井部分の煙突貫通部分に使用される部材 |
薪ストーブ本体並びに煙突から可燃壁面部分までの離隔距離が短縮できる |
ストーブ床面を保護する目的の他に薪ストーブ本体を設置する部屋全体の雰囲気を演出する部材 |
ストーブ床面を保護する目的の他に薪ストーブ本体を設置する部屋全体の雰囲気を演出する部材 |
一般的に使用されている二重断熱煙突の価格目安 | ||
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厚さ1.2㎜の黒焼き塗装を施した、 1200x1200㎜のフロアプレート |
31,000円(税別) | |
厚さ1.6㎜の黒焼き塗装を施した、 914×914㎜のウォールヒートシールド |
27,300円(税別) | |
壁貫通部分に使用されるケイ酸カルシウム素材で410x410x150mmのメガネ石 | 14,700円(税別) |
薪ストーブの煙突は、炉内で発生した排ガスを円滑に建物の外に排出させたり、薪ストーブ本来の持つ暖房能力をフルに発揮させる役目があります。
その煙突の施工は配管のパターンは建物の用途や躯体の種類大きさによって様々ですが、一般的な木造2階建ての住宅においては大きく分けて、3つの配管レイアウトパターンがあります。
一般的に3つの配管パターンの場合、外壁部分や屋根の仕上げ工事が完了する前に貫通部分のコア抜き作業を行った上、二重断熱煙突から煙突支持金物、化粧金物、フラッシング(雨仕舞金物)、排気トップまでの工事を行い、ストーブを設置する室内の造作作業(不燃ステージや不燃壁工事を含む)が完了した後、ストーブ本体とジョイントパイプ(シングル煙突)を設置する工程で行われます。
薪ストーブの煙突に関する法規制は建築基準法施行令の「建築物に設ける煙突」の中で煙突の構造と安全基準として僅かに触れている程度で、残念ながらほぼ皆無に近い状況です。そこで、安全性を確保する意味で、特に木材の低温炭化による火災を防ぐ為、煙突から可燃壁面まで最低離隔距離を独自に定めています。
また、適度なドラフトを確保することによって、薪ストーブが持つ本来の暖房能力をフルに発揮させると同時に高いメンテナンス性を維持させ、快適なストーブライフを送る為にも、以下の事項を遵守しましょう。
また、上述した条件を守ったとしても、煙突排気トップから隣家との離隔距離が接近していると負圧帯に入ってしまい、風の強い日に煙が逆流する恐れがある他、防火上問題があります。その為、屋外の煙突の高さと隣家との離隔距離にも十分注意しなければなりません。そこで、アメリカ本国のNFPA211(火災予防法)に定めた規定をあくまでも安全指針として採用する場合があります。
薪ストーブを末永く快適に使用して行く為には、シーズンオフに最低でも一回、煙道部材の保守点検を兼ねて煙突掃除をしていただくことを強くお勧めします。煙突掃除を怠ってしまうと、薪ストーブ本来の暖房性能を充分に発揮できなくなるだけでなく、煙突内部に付着した煤やタールが高温を帯びた薪ストーブ本体の熱によって発火して、煙道内火災を引き起こしてしまう恐れがあるからです。
ここで、一般的な煙突掃除の方法をご紹介致します。
※室内の煙突を事前に取り外しておいて、ポリエチレン製のゴミ袋等で塞いでおくと、ストーブ本体のメンテナンス作業と分けて作業が行えます。
(株)新宮商行では煙突掃除に必要なツールを取り揃えております。